野見山暁治展
銀座のフタバ画廊で行われている「野見山暁治展」を鑑賞してきました。 狭い階段を下りて地下の画廊へ入ろうとすると、先に1人初老の男性がいました。 なんとご本人!野見山さん! なんとなく予想はしていたのですが、ほんとうにいらっしゃるとは。 とまどいました。 以前、東京近代美術館で作品を観たときから、ずっと憧れに近い気持ちで野見山さんの作品を見てきました。私の感性にぴったり。正直にいえば「まずい」とおもいました。私が描きたいと思った絵がそこにあったからです。 声をかけることもできず、 じーーーっくりと作品を鑑賞しました。 やはり思った通り。 筆遣い、色遣い、そして宮木先生と同じように、ここにも軽やかさ。 若い頃にありがちな、同じスタイルを保って描くというよりは同じスピリットを持って描かれています。 本物の絵。誠実な画家。 そういったものを感じられるのは、単にお年を重ねたからではなく、常に絵に「向かう」ではなく、自然に「ともにある」からなのかなと思います。 自分が受けた気持ちを一言伝えておこうと意を決して、 --大変、刺激になりました。 失礼します。 と声をおかけしたら、 --かしこまんなくっていいんだよ。 と、やさしく仰ってくださいました。 様々な肩書きを持っているはずなのに、ぜんぜん偉ぶっていないのです。 絵を見ただけでなく声を掛けてしまったことにも感動でじーんとしびれながら帰ってきました。