パリ旅行 画材屋巡り

フランスに行くことになったとき、美術館の他にぜひ行ってみたかったのが 画材屋でした。

事前に調べておいたパリの画材屋のうち、行く事ができたのは以下の4ヶ所です。

メゾン・ガテノ(Maison Gattegno)
エスキス(Esquisse)
アダン・モンパルナス(ADAM Montparnasse)
セヌリエ(Sennelier)



■メゾン・ガテノ(Maison Gattegno)
メゾン・ガテノは、アカデミー・グラン・ショミエールの向かい側にある画材屋です。



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アカデミー・グランショミエールで絵を描いていて、画材が足りなくなったときは迷わずここです。なにせ目の前ですので。

ここでは、メゾン・ガテノのスケッチブックを購入しました。


リングでまとまっていますが、切り離しが楽なように一枚一枚ミシン目がついており、一番下には厚めのボール紙があるので、画板がなくても安定して描くことができるスグレモノです。

これで€6とは安いと感じました。

キャンバスや木枠は一番奥の部屋にあり、円形、楕円の木枠と張りキャンバスも売っていました。

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■アダン・モンパルナス(ADAM Montparnasse)


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白衣を着た店員がいかにもヨーロッパの画材屋という感じ。

油彩という技術が錬金術という当時の化学によって支えられてことをなんとなく思い出します。

ここでは、AdamブランドのテレピンWilliamsBurgとルフラン&ブルジョワの油絵の具、板状の兎膠、そしてマイメリの「OilmediumEco」という溶剤を購入。


テレピンはアダンブランド。まだ使っていませんが、匂いは日本のものと変わりません。

「OilMediumEco」もまだ使用していないのですが、テレピンやペトロールの代わりに油絵の具を希釈できるのですが、古典的なそれらの溶剤より揮発が遅く、水と混ぜられるのが特徴だそうです。
板状の兎膠は、そのうち地塗りにでも使おうかと。
ADAM Montparnasseのブログには品揃えの紹介もしてあります。

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■エスキス(Esquisse)



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国立美術学校の近く、その名も「美術通り(Rue de Beaux Arts)」にある画材屋。
ひと通りの画材は揃えてありました。
ここでは筆とデッサン用品を購入。


写真の筆は、ルーヴル美術館で見たゲインズボロの額縁にあしらわれた筆のように、筆先と柄が糸で巻かれているモノ。日本では見たことがなかったので購入。
柄には、「12 2116 manet SOIES PURES FRANCE」と書かれていますが、詳細は不明。毛先は豚毛のようです。

オーストリアの画材メーカーCretacolorのArtists' leads assortedは、円筒形のチョークのようなものかと思ったのですが、芯ホルダーに入れて使うタイプなんだとか。

エスキスのすぐ近くには「la palette」というカフェもあります。
国立美術学校の教授や生徒が常連とのことでしたが、私たちが立ち寄ったときには狭い店内ながら外も中もとても混雑していました。
店内にはパレットや絵画が飾られていて、言葉はわからないものですが、皆、絵の話をしているのかなとおもいながらコーヒーをいただきました。

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■セヌリエ(Sennelier)
店の正面にはルーヴル美術館のドゥノン翼側が見れるという画材屋。



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店頭には、様々なキャンバスのサンプルが。


セヌリエといえば、高級なパステルメーカーとして有名で、ルーヴル美術館の直ぐ側の店舗ということから観光客向けの画材セットしか売ってないんじゃないかと勝手に思っていましたが、そんなことはなく、狭い店内ながら細々と引き出しに入っていたりして、パリで見た画材屋の中で最もマニアックな画材屋だと思いました。

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日本の画材屋と違うなと思ったのは次の点です。
いずれも、一見しただけの感想なので正確ではないかもしれませんが…。

・チューブ入り油絵具はフランスのルフラン&ブルジョワ(Lefranc et Bourgeois)、イギリスのDaler&Lowneyが一般的なようです。ホルベインやクサカベなどの日本のメーカーはひとつも見当たりませんでした。
・日本で顔料を買おうとするとちょっと大きな画材屋に行かなければ手に入りませんが、メゾン・ガテノやエスキスのような小さめの面積の画材屋でも顔料を売っていました。もしかしたら、顔料を乾性油で練って描く古典的な技法で描く人が多いのかなと思いました。
・どの画材屋でも日本では一般的な「キャンバスクリップ」を見つけることができませんでした。もしかしたら探し方が悪いだけかもしれませんが、モンパルナスのグラン・ショミエールでお会いしたパリで暮らしている日本の方いわく、キャンバスクリップはないとのことでしたが、では濡れているキャンバスはどうやって運搬しているのでしょう…。聞いておけばよかったです。
・私の周囲では画材メーカーによって調合済みのペインティングオイルを使用するのが主流です。私自身は、自分で調合した調合油を使用しているのですが、もしフランスで使用されているペインティングオイルがあったら調合の参考になるかなと考えてペインティングオイルを探したのですが、みつけられませんでした。セヌリエではマスチック樹脂を含有するということで賛否両論あるブラックオイルがありました。アダンでは、テレピンとワニスがあったので棚のどこかにペインティングオイルがあるかなと探したのですが見つけることはできませんでした。

(パリ旅行 アカデミー・グラン・ショミエールに続く)

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