パリ旅行 ルーヴル美術館6

リシュリュー翼には、リュベンスの巨大な連作「マリー・ド・メディシスの生涯」がありました。

全体を見渡すとこのような部屋です。












これでもか、というくらいの圧倒的なリュベンスの作品。

リュベンスの作品といえば 、リュベンスが棟梁を務めた工房によって作られたものが多く、どの筆触がリュベンスのものなのか、リュベンスがどれくらい手を入れたのか素人にはわからないことが多いですが、これらの連作については、人物はリュベンスが描くようにとの契約で制作が始まったそうです。

したがって、これだけの大きさのものであっても、人物はリュベンス本人が描いた可能性がとても高いと言えます。


この連作にはキャンバスを縫って継ぎ足した跡がありました。
おそらく、キャンバスを織る織機以上の大きさで描くことになったため、キャンバスを継ぎ足さなければならなかったのかなと思います。

斜めの織り目があるのでこれが綾織のキャンバスの縁を重ねあわせて縫ったようです。







こちらは別の部屋にあった、リュベンスの二番目の妻の姉、スザンヌ・フールマンの肖像です。





画に反射する光の加減で、絵具の厚みや筆触がわかります。










リュベンスの絵は、デッサン、色、筆さばき、油の使い方に至るまで、ほんとうに自由な感じを受けます。
筆先が踊り、楽しげに色を歌わせているような。
そんな精神と技術を少しでも見習えたら…と思いじっくりと鑑賞しました。

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